マグネシウムで洗濯できるとか完全にエセ科学でしょう。
エシカルやロハスなど
環境意識の高い奥さんたちの間で流行している
マグネシウムで洗濯する洗濯マグちゃん。
なんとフランスのオーガニック見本市の2017に受賞歴もある
https://natexpo.com/en/laureats-trophees-natexpo-2017/
我が家でも奥様が
「洗濯マグちゃんに変えようと思うんだけど」
と相談されたので
眉に唾つけて調べてみたらヤバイ事実が発覚した話
目次
まずマグネシムで汚れが落ちるメカニズム
そもそも
「なんでマグネシウムで汚れがおちるんだよ」
と思ったので調べてみると
マグネシウムを入れると水がアルカリ性に傾いて
油脂と反応してセッケンになるかららしい
またアルカリ性だと雑菌の繁殖が抑えられるので
匂いも減ると
マグちゃんでどの程度アルカリ性になるのか実験してみる
となると
洗濯水がアルカリ性に傾くことが重要であることがわかる。
では
洗濯マグちゃんでどの程度アルカリに傾くの?
と疑問が当然湧く
(多分男性は)
で、調べてみた人がいてる
http://ecobaka.com/laundry-mug/
このブログの著者は
ランドリーマグちゃんを洗濯機に入れてみて
ph測定器で逐一はかってみたみたい。
すると
→洗濯物有り状態で45分でph8.07
→洗濯物なし状態で15分でph8.69→30分で9.28
までph値が上がった。
ちなみに
中性はph7 で
ph8-11あたりは
弱アルカリ性
この実験結果をみると
ph値をアルカリに上げるためには
・大量のマグネシウムが必要
・浸け置きが前提
で
phの上昇は9程度まで
となります。
となると
疑問は
その程度のアルカリ性で洗浄力が期待できるのか?
アルカリイオン水の清掃業者の基準
アルカリイオン水による清掃作業の業者の
基準をしらべてみました。
http://www.iksv.co.jp/alkali/index.html
洗浄用としては
ph11以上を指すようです。
さらにph13を超えると
大腸菌
腸炎ビブリオ
サルモネラ菌
0-157
緑膿菌
の除菌ができるらしい。
ph9とかでは効果があるのか疑問です。
でも、実際に洗濯して実験してみないとわからない
実際に洗濯して実験してみる
実際マグちゃんを購入して実験してみてる人がいました。
http://seikatsunomemo.com/archives/24078401.html
この人のブログの実験では
マグネシウムペレットを購入しています。
マグちゃんではありませんが一緒ですね。
・洗濯洗剤
・マグネシウムのみ
・水のみ
でそれぞれ洗濯してみて
汚れ落ちを確認してみたようです。
結論からいうと
洗剤が一番汚れが落ちていて
マグネシウムと水では、ややマグネシウムが落ちる
マグネシウムのほうが汚れ落ち効果高いと言ってますが
僕が見たところ対して違いは感じませんでした。
最終的な著者の結論は
洗剤半分+マグネシム
という事ですが
もしかして
・洗剤半分のみ
・洗剤半分+マグネシム
でも同じ結果なんじゃ・・・・
ひょっとして
マグネシウム粒の叩き効果ですこし汚れおちた可能性とかないのかな。
そもそも
毎日洗濯する我々は
軽い汚れなら水洗いでも十分なのかもしれないと
思いました。
と思って調べてみると
そもそも洗剤意味あるんか実験してるサイト発見。
https://dailyportalz.jp/kiji/180309202279/page/2
こちらのブログみてみると
水だけでいいんじゃんって思います。
よく考えると
醤油とかワインとか
ベッチャーってこぼした時
どっちにしても
予洗いしますよね。
となると
予洗い+水洗いが答えでは・・・
洗濯マグちゃんを激烈に批判している人がいた
マグネシウム洗濯について調べていると
激烈に批判している人がいました。
http://funaan.org/ci/?p=218&
http://funaan.org/ci/?p=155
銀鮒の里学校の井田 裕之さんという
農学博士なのかな?
によると
pHが11以上の熱炭酸ナトリウム水溶液であれば、ごく一部の油脂が部分的にけん化反応を起こすことにより、その石けん分が未けん化の油脂を乳化するという現象は起こります。このことは、業務用のアルカリ性食器洗浄剤にも応用されており、油料理で使った鉄のフライパンでも再現することができます。しかし、pH9.5程度の塩基性だと、部分けん化すら起こし得ません。
ということで
やはりアルカリの洗浄作用については
清掃業者の基準と同じく。
さらに
このような眉唾商品が真しやかに売られており、消費者もそのようなものを信じてしまうということは、化学リテラシーを育てない現状の理科教育の問題を示しているといえます。
とまで言ってます。激烈。
宮本製作所に恨みでもあるの?
そもそもアルカリ剤で洗うのなら
マグネシムじゃなくてもいいんじゃ・・・
実は昔から環境負荷を減らす為にアルカリ剤で洗うという動きはある
洗濯ボール、洗濯リング、洗剤のいらない洗濯機、磁化水、電解水、水素水、重曹、セスキ、炭酸塩、酸素系漂白剤、食塩
など環境問題に関心高めの人は昔からいて
今回のマグネシウムもその流れに過ぎないです。
同じアルカリ洗浄となると
セスキ炭酸がメジャーでアルカリウォッシュが安いですが
セッケン業者の実験によると
アルカリ剤と水ではほとんど違いは無いらしい。
http://sekken-life.com/life/soap_seski.htm
いやいやセッケンだって同じアルカリ剤なんでは・・・
と思うんですが
業者同士でも熾烈な争いがあるのですね。
でもセッケンには問題も多い
その一つが
石鹸カス
石鹸カスが悪臭の原因に
石鹸カスは細菌の餌になり繁殖を促すので
悪臭の原因になるみたい
で、
石鹸がミネラルと反応すると
石鹸カスになるらしいので
硬水(ミネラル分の多い水)だと石鹸カスが増える
日本は軟水だからその点は安心ではある。
でも
石鹸は冷水に弱いという弱点がある
石鹸はお湯でこそ汚れが取れる
部分的な手洗いとかしてると経験あると思うんですが
石鹸って水だと汚れ落ちにくいですよね。
じつは20度以下の冷水だと効果落ちます。
石鹸が水に溶けないので。
日本の水道水は夏場以外20度下回るので
お湯を使う工夫が必要。
石鹸以外の
アルカリ剤でもph値が高いものを使えば・?・?
石鹸のphは9-11なのでそのへんのアルカリ剤なら・・・
で
過炭酸ナトリウムにたどり着く
よく洗濯槽のカビ取りに使ってるやつですね。
これ毎日の洗濯に使っている人もいるみたい
これだと洗濯槽のカビ除去効果もある。
だけど
やっぱりお湯が必要のようだ。
ココらへんでひとまずまとめ
- マグネシウム洗濯の根拠はアルカリ性
- マグちゃんでは浸け置きしてもph9がせいぜい
- ph9では洗浄効果は期待できない
- 実験ブログを見ると 水のみ洗浄とほぼ変わらない
- 環境意識高い人がアルカリ剤で洗うというのは昔からある
- マグネシウム洗濯はアルカリ剤で洗う流派の分派に過ぎない
- アルカリ剤で洗うなら「石鹸」or「過炭酸ナトリウム」が良い
- 石鹸&過炭酸ナトリウムはお湯で溶かす必要がある
うちの結論としては
袖とか襟元の油汚れや
ワインや醤油のシミとかは
今までどおり石鹸で予洗い
そこから
水洗いのみ
を基本方針としつつ
しっかり汚れを落とす場合は
・過炭酸ナトリウム+お湯
もしくは、
・石鹸+お湯
を使っていく。
ちなみに石鹸は予め泡にする必要があって
洗濯槽を空の状態で石鹸洗剤をいれて水洗いでまず回す。
泡立ったところで止めて→洗濯物を入れる
という手順が大事。
泡立たない場合水温が低いのでお湯を足す。
【参考】https://manetatsu.com/2019/02/170568/
また
飽くまで実験として
以上しらべた結果
効果はまったく期待できないだろうけど
・マグネシウムペレット
も試したい。
マグちゃんは結局買わない。
マグネシウムペレットは
100均で編み購入。
アマゾンで400g4000円のマグネシウムペレット買うと
コスパ抜群。
これだと
600gで4500円なので
マグちゃん6つ分作れる。
主婦仲間で分けたらいいね。